ようやく春の訪れを感じられる季節になりましたね。最近まで雪が降り、寒さが続いていましたが、ここ数日はぽかぽかとした陽気で、春らしい空気に包まれています。
そんな春の訪れを楽しむのにぴったりなのが、日本三名園のひとつ、茨城県水戸市にある「偕楽園」です。岡山の後楽園、金沢の兼六園と並び、その美しさが称えられるこの庭園は、特に梅の季節は格別。今回はそんな偕楽園の梅まつりの様子をご紹介します。
偕楽園の歴史と梅へのこだわり
偕楽園は、江戸時代に水戸藩9代藩主・徳川斉昭によって造られました。2015年(平成27年)には、日本遺産「近世日本の教育遺産群」として認定されるなど、その歴史的な価値も高く評価されています。
斉昭公は、東京の小石川後楽園の梅を集めて偕楽園を作り上げたといわれています。でも、なぜ梅なのでしょうか?
調べてみると斉昭は「種梅記」に以下の内容を残したそうです。
- 梅は雪の中でも先駆けて咲き、詩歌の題材として美しい
- 梅の果実は酸味があり、喉の渇きを潤し、疲れを癒やす
- 梅干しは保存が利き、防腐・殺菌効果があるため、軍事の際の非常食としても有用
参考 https://feelherb.s-herb.com/tokugawakeyakuso_01/ (“偕楽園”が梅の名所になった理由とは? – FeelHerb)
このように、文化的な美しさだけでなく、実用的な利点まで考えて梅を植えたのですね。
色とりどりの梅に包まれて
さて、ここからは実際に見てきた梅の様子をお届けします。
偕楽園には約100品種・3000本の梅が植えられており、その美しさには本当に心を奪われます。特に目を引いたのは、徳川斉昭の諡号(しごう:貴人の死後に贈られる名)「烈公」にちなんで名付けられた「烈公梅(れっこうばい)」。

また、水戸の六名木とされる「白難波(しろなにわ)」「月影(つきかげ)」「江南所無(こうなんしょむ)」「柳川枝垂(やながわしだれ)」「虎の尾(とらのお)」も、どれもそれぞれに個性があり、見ているだけで幸せな気持ちになりました。

園内を歩いていると、ふんわりと漂う梅の香りが心地よかったです。
ピンクや白、薄紅色の梅の花が青空に映え、まるで絵画のような光景が広がります。日常の喧騒を忘れ、春の訪れを存分に感じられるひとときでした。

梅まつりは3月20日まで!
現在、偕楽園では恒例の梅まつりが開催中です。今年は3月20日(木)までとのこと。
少しずつ暖かくなり、お出かけもしやすい季節になってきました。もしお時間があれば、ぜひ偕楽園の梅を見に足を運んでみてください。きっと素敵な春の思い出になるはずです。
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